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  • 執筆者の写真ohata motoko

オリーブの花の香り

緊急事態宣言が出されてから、日本大学生物資源科学部の教職員は在宅勤務が基本となりました。わたしは子どもの保育園登園自粛とも重なり、在宅勤務が難しかったため、感染症特別休暇を取得しました。GW明けからは、在宅勤務と感染症特別休暇、出勤をうまくコントロールし、感染症拡大防止につとめています。


週末、自宅の庭で子どもと遊んでいるとどこからともなく柔らかいフルーティな香りが。

庭に植えてあるオリーブの花が咲いていました!


強い香りではありませんが、リナロールっぽいフルーティな感じ、ハニーっぽい甘い感じ、咲き始めのジャスミンを思わせる少しグリーンのあるフローラルな匂いが感じられました。

早速、google scholarで文献を調べてみましたが、オリーブの実やオリーブオイルの匂いに関する文献はあるのですが、オリーブの花に関する文献は見当たりませんでした。

一方、DEMETERⓇ FRAGRANCE LIBRARYにはolive flowerという香水が販売されているのを発見しました。この香水の説明文(英語)を読むと、licorice-like floral scentなのだそうです。Licoriceがなにかわからなかったので、そこから調べますと、「甘草」だそうです。漢方薬ではよく配合されているような気がします。Licoriceの香りについて調べてみました。


Raw licoriceから得た香気抽出物をAroma Extract Dilution Analysis(AEDA)分析すると、γ-nonalactone、4-hydroxy-2,5-dimethylfuran-3(2H)-one、4-hydroxy-3-methoxybenzaldehyde が最も高いFlavor Dilution-factorで検出されたようです。含有濃度を閾値で除した値であるOdor Activity Value (OAV)が高かったのは(E,Z)-2,6-nonadienal、5-isopropyl-2-methylphenol、hexanal、linaloolの4成分だったようです。これらを含む(計39種)の香気成分で再構築されたモデルの匂いのプロフィールとraw licoriceの匂いが非常に類似していたことから、これら成分がraw licoriceのキーオドラントなのだそうです。(J. Agric. Food Chem., 64(44):8388–8396, 2016.)


わたしが庭で感じたオリーブの花の匂いと合うようなところもありました。リナロールを感じたところ、ハニーのような甘い香りだったところ(γ-nonalactone、4-hydroxy-2,5-dimethylfuran-3(2H)-oneなど?)、グリーンも感じたところ((E,Z)-2,6-nonadienal、hexanaなど?)などでしょうか。


いろいろな自粛が続いてたくさんのストレスがありますが、わたしの鼻もまだまだなまってないですね!笑






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