​最近の研究テーマ

 メイラード反応とは、アミノ化合物とカルボニル化合物による非酵素的褐変反応のことです。一般的には加熱により促進されますが、低温でも長期間の保存や熟成中にゆっくりと進行します。両成分を含む食品は非常に多く存在しますし、加熱や長期間保存などの工程もよくあることなので、食品においてメイラード反応は非常に起こりやすい反応です。めずらしくありません。メイラード反応についての詳しいお話は『ラボ日記』で改めて取り上げるとして・・・、私は、メイラード反応で生成する香気成分の研究をしています。

​◎食品のメイラード反応で生成する香気がヒトに及ぼす生理作用

食品のメイラード反応で生成した香気成分をヒトが嗅いだときの、自律神経活動への影響、中枢機能への影響、末梢循環機能への影響などを統合生理学的に評価しています。

 (筑波大学大学院教授 矢田幸博先生、北里大学獣医学部教授 有原圭三先生との共同研究)

・Food Funct., 2016, 7, 2574–2581

・IMARS highlights, 2018, 13(1), 9-16

・BBB, 2020, in press  他 

◎食肉タンパク質分解物のメイラード反応由来香気成分の嗅覚刺激によるラット自律神経系への影響​

ペプチド由来のメイラード反応で生成した香気成分をラットに曝露したときの、ラットの血圧への影響および自律神経(交感神経と副交感神経)活動への影響を評価しています。

(北里大学獣医学部教授 有原圭三先生、​大阪大学名誉教授 永井克也先生との共同研究)

・IMARS highlights, 2014, 9(3), 21-25

・Chem. Sens., 2016, 41(9), E151

・J. Sci. Food Agric., 2018, 98(3), 923-927 

・J. Food Sci., 2020, 85(4), 1338-1343  他

◎乳タンパク質分解物の不快臭に関わる香気成分の同定と生成メカニズムの解明

乳タンパク質をプロテアーゼやペプチダーゼで加水分解することで、抗原性を低下させた乳タンパク質分解物が調製されます。これは、乳タンパク質に対してアレルギーを持つ乳幼児のための育児用ミルク(加水分解乳とも称される)の原料として広く利用されています。しかし、非常に不快な匂いがするために嗜好性が劣ります。ミルクを作って与える側(家族など)にとっても、おいしそうだなと思えるミルクを乳幼児に与えたいものです。そこで、どのような香気成分が不快臭の原因となっているのか検索し、その生成メカニズムを明らかにして、不快臭を抑制する技術を開発しています。

(森永乳業株式会社、北里大学獣医学部教授 有原圭三先生との共同研究)

・第60回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会, 2016, 123-125

・Animal Sci. J., 2018, 1-7 他

 メイラード反応に関する研究テーマ以外にも、次のような研究を行っています。

◎乳タンパク質分解物の風味に対する香草香気成分の改善効果

乳タンパク質分解物は、不快臭だけでなく、乳タンパク質由来の呈味性ペプチドも含んでることから苦味や渋味なども呈し、風味として不快に感じられることが問題となっています。​一方で、香草や茶葉などには肉など動物性食品の生臭さを感じさせにくくさせる作用や、逆にごく微量あるだけでぐっとおいしさが増すような作用があることを私たちは経験的に知っています。そこで、乳タンパク質分解物の不快な風味に対して改善効果を有する成分を検索しています。

(北里大学獣医学部教授 有原圭三先生、お茶の水女子大学名誉教授 久保田紀久枝先生との共同研究)

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