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  • 執筆者の写真ohata motoko

食品成分化学 大畑担当


香りの科学の13回目の講義の後すぐに、食品成分化学を講義しました。この科目はオムニバスなので、今日が私の担当でした。

「食品中の香気成分とその香気特性について」というタイトルで講義しました。

香りの科学と内容が重複しないように、ここでは官能評価についてお話して、さらになんと!パネル選定用基準臭を使った嗅覚の簡易テストをしました!

このパネル選定用基準臭によるテストは、香りの官能評価をする前にパネリストを選定するためのチェックとして広く使用されています。これは、T&Tオルファクトメータ法という嗅覚能力検査の簡易版です。

5つの基準臭を「感知」できるかと「認知」できるかを簡易的にチェックしました。「感知」とは、なんだか匂いがするなぁという感じ。「認知」とは、具体的に○○の匂いがする!とわかることです。

ちょっと意地悪をして、7本のムエット(匂い紙)に5種類の基準臭と無臭の液体をつけ、どれが匂いなしか?という問いと、匂いがあるムエットの香調を当ててもらいました。

5種類の基準臭は次のとおりです。

・2-フェニルエタノール・・・花屋さんの匂い、バラの匂い、フローラル、お酒の匂い

・3-メチルブタン酸(別名:イソ吉草酸)・・・不快臭、納豆臭、足の裏の様な、汗臭い

・シクロテン(別名:メチルシクロペンテノロン)・・・甘い焦げ臭、プリンの様な、メープルシロップの様な、カレーっぽい

・γ−ウンデカラクトン・・・甘い、フルーティ、桃っぽい、フローラル、キンモクセイ

・スカトール・・・不快臭、カビ臭、湿った匂い、糞便臭

学生の皆さんのほとんどが「匂いなし」のムエットを当て、香調表現もバッチリでした。中には、とてもユニークな回答もありましたよ。

例えば、

2-フェニルエタノールが、あじさいの匂い、とか。スカトールが、おっさんの匂い、とか。

みんなで大笑いしましたね。

官能評価の曖昧さを勉強しつつ、機器分析との併用が重要であることを認識し、さらに、官能評価に先立って行われるテストも実際にやってみて、とても有意義な授業だったのではないでしょうか?


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