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  • 執筆者の写真ohata motoko

香りでその花の存在に気づきました


大型連休最後ですが、日本大学では通常授業のためお休みは昨日まででした。

さて、わたしは5月1日より復職いたしました。実質本日5月6日から本格的に再スタートです。

みなさま、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

連休中、歩いていたらどこからともなくアニマリックな匂いが・・・。すぐにindole(インドール)の匂いだと分かりましたので、ということは近くにジャスミンがあるはず!と探しました。なかなか見つかりません。ようやく路地裏にハゴロモジャスミンが咲いているのを見つけました。気づくと、indoleの匂いがした地点からかなり離れていました。相当遠くまでindoleの匂いがディフューズされていたのですね。近くに来るとindoleだけでなく、ジャスミンの特徴的な匂いがとても強く感じられました。


ここでは、ジャスミンの匂いや香料について書こうと思っています。次回、インドールについて書こうと思います。

まずジャスミンの匂いや香料についてです。

香料をとるためのジャスミンは、残念ながら今回見つけたハゴロモジャスミン(学名:Jasminum polyanthum)ではありません。Jasminum grandiflorum L.という種になります。フランスのグラースに行った際に香料となる植物がたくさん育てられている植物園に行きましたが、そこには香料を採取するためのこの種のジャスミンが植えられていました。(写真を載せます。行った時間がお昼すぎでしたので、香調がかなり変わっていましたが・・・)



白い小さなかわいらいい花です。

香料用のジャスミンは夜明けから午前中にかけて最も強く香り、それだけでなく、indoleの匂いとのバランスが非常に取れた好ましい匂いになります。ですので、プランテーションでは夜明けから花を摘むのだそうです。摘んだ花を用いて、冷浸法や溶剤抽出法でアブソリュート(いわゆる天然香料)を得ます。

溶剤抽出法は、どのような抽出方法かピンとくる方も多いと思うのですが、冷浸法はわかりませんよね。冷浸法とは、アンフルラージュといって、牛脂や豚脂などの獣脂の表面に花を散布し、獣脂に花香成分を吸着させ(それをポマードといいます)、そこからアルコールなどで抽出し、濃縮してアブソリュートを取り出す方法のことをいいます。

写真は、ガラス板に塗られた獣脂に、花が(裏返して)散布された様子です。



”アンフルラージュ”なんて、なんてすてきな響きの抽出名なのでしょう!!

ジャスミン・アブソリュート(ジャスミンの天然香料)中に、最も高濃度で含まれているのがbenzyl acetateです。いわゆる主成分ですね。

次に多く含まれているのは、順に、benzyl benzoate、linalool、cis-jasmoneといった感じです。 cis-jasmoneと同じくらいの量、Indoleが含まれているようです。

わたしが嗅いで簡単に香調を書くと、

Benzyl acetate・・・強いジャスミンの香り、豪華なフローラル、白っぽい

Benzyl benzoate・・・優しいフローラル、ソフトな

Linalool・・・明るく元気な、フローラル、少し柑橘系、割と強い

cis-Jasmone・・・ジャスミンの香り、茎や根っこもイメージできるような香りも含まれる

こんなかんじでしょうか。

化合物の構造式は、香りに興味のある皆さんは調べてみてください!


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