5月はすずらんの季節ですね!
本当にかわいい花です。それに香りがとってもいい!すずらんはフランス語でミュゲといって、ローズ、ジャスミンとともに3大フローラルとしてたくさんの調香に使われています。例えば、DiorのDiorissimoなんかは、ミュゲがテーマ!といっていいほどミュゲの香料が多量に使われています。(わたしのコレクションにもあるので、今度写真を撮ります!)
とっても香りのいいミュゲですが、ジャスミンのように天然のミュゲの花を摘んで採取した精油はもとの生花の香りを再現できず、残念ながらミュゲの天然香料は商業化されていません。したがって、わたしたちが鼻にするミュゲの香料のほとんどすべてが調合香料になります。(ミュゲの「これっ!」という特徴香気成分はわかっていないようですね。おそらくたくさんの香気成分のバランスやインタラクションが、あのミュゲの魅力的な香りを作り上げているのでしょう)


ミュゲの調合香料の主要香気成分として知られているのが、hydroxy citoronellalです。天然には存在しない化合物です。これは、ずいぶん昔に安全性や安定性の問題から使用が規制されてしまっています。それに伴って、lilial(すっきりしたミュゲ香、白っぽい、すこし埃っぽい匂い)やlyral(強くはなけれど、ソフトなミュゲ香、弱い、)が開発されましたが、これらも次々と使用が制限されてしまいました。よく見てみるとどれもアルデヒドです。化学が得意な人でしたらわかると思いますが、安全でたっぷり使えるとは到底考えられませんよね。。。
ミュゲの香りは貴重なのですね。
ミュゲの季節もあっという間に過ぎ去ります。あのすてきな香りとともに・・・。