ジャスミンの天然香料にも含まれ、また、ジャスミンの合成香料にも欠かせないのがindole(インドール)です。
ハゴロモジャスミンの姿がさっぱり見えなくても、遠くから匂ってきたindoleがきっかけで、「あれ?ジャスミンがあるのかな?」と思ったほど。
Indoleは、前回の記事でも書いたように、とても強いアニマリックな匂いがします。
特に濃度が濃いと、アニマリックな匂いからどんどん糞便臭になっていきます。逆に、すごく濃度が低いと、柔らかいぽってりとしたフローラルな匂いになるのです。(不思議ですよね!)
このindoleを調香にほんの少し使うと、劇的にホワイトフローラルの香りになるのです!ただし、濃度に気をつけて処方を書かないと、くどくって、動物臭く、場合によってはカビや糞便の匂いが隠せません。
ジャスミンだけでなく、多くのフローラル系の香料に使われています。
構造式を載せておきます。(2,3-benzopyrrole)

さて、ハゴロモジャスミンの姿が見えなかったのにindoleの匂いがわかったということは、かなり閾値が低いのでしょうか?
興味があったので調べてみました。
空気中の閾値はなんと1立方メートルあたり0.6μg!!!水溶液中ですと、0.3mg/kgです。(香りの総合辞典、朝倉書店)
空気中の閾値の低さを知って驚きました。やっぱり!遠くでもindoleが認知できたわけです!
それにしてもこんなにも遠くまでindoleの匂いを放たせているのには、なにか理由があるような気がして仕方ありません。機会があったら、調べてみようかなと思っています。