• ohata motoko

チーズとキムチの香り


今、チーズタッカルビがとても流行っていますね!

流行りに乗りたいと韓国料理のお店に行きましたが、チーズタッカルビよりも急にサムギョプサルが食べたくなり、予定変更でサムギョプサルを食べました。

しかし、そのお店はサムギョプサルにもとろけたチーズがオマケについていたので、ラッキーでした。

食べて気付いたのですが、チーズと一緒にお肉やキムチなどを食べると一気に韓国料理感が無くなってしまいました・・・イタリアン?と勘違いするほどチーズの味や匂いの主張が強かったので、結果論ですがチーズタッカルビを注文しなくて正解でした。せっかくの韓国料理ですので・・・。


今回は、チーズとキムチの匂いについて。

まずはキムチ。

Aroma-active compounds in kimchi during fermentation (Cha Y.J. et al., J. Agric. Food Chem. 1998, 46:1944-1953)という論文によると、発酵に伴って含硫化合物が優勢となるようです。特に、ネギ・タマネギ様やガーリック様の匂いを示すpropanethiol、2-(methylthio)-1-propeneに加えて、調理したキャベツの様な匂いを示すdimethyltrisulfideや、ゆでたじゃがいも様の匂いを示す3-(methylthio)-propanalなどが重要な匂い成分だそうです。また、青臭くキュウリの様な匂いを示す(E,Z)-2,6-nonadienal、フローラルなphenyl acetaldehyde、フローラルフルーティなlinalool、ファッティな(E,E)-2,4-decadienal、バターっぽい匂いの2,3-butanedioneもキムチ臭を形成するのに重要な匂い成分だということです。

キムチは、白菜、ネギ、人参、ショウガ、にんにく、鷹の爪や、さらに魚醤なども加えて乳酸菌発酵させるので、原料が複雑ですし、かつ発酵というプロセスも複雑なので、一概にキムチの匂いといえばコレ!とはならないようですね。ただ、ネギやにんにくが原料として入っているので、含硫化合物の匂い成分が生成するのもうなずけます。

(論文が古かったですので、新しい論文を見つけ次第アップデートします!)

次はチーズ。

チーズはとにかく種類と製造過程の違いで随分匂いのプロフィールが異なりますので、お話するのが難しいのですが、今回サムギョプサルにオマケでついてきたチーズはおそらくゴーダチーズかな?と思っています。(違うかな?)もう一種類くらいブレンドされていたのですが、不明です・・・。ゴーダチーズは少なからず入っていたと思うので、ゴーダチーズについて調べてみました。

Identification of the possible new odor-active compounds "12-methyltridecanal and its analogs" responsible for the characteristic aroma of ripe Gouda-type cheese (Inagaki S. et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 2015, 79(12):2050-2056)という論文を読んでみました。おなじみのAroma Extract Dilution Analysisの結果、熟成度が異なる3つのゴーダチーズから16種類の匂い成分が検出され、そのうち、チーズ類からは初めて「12-methyltridecanal」というアルデヒドが高い寄与度で発見されました。匂いの特徴としては牛肉様の匂いだそうです。


他の寄与度の高い匂い成分の香調を見ると、「酸っぱい(Sour)」「汗臭い(Sweaty)」「キャラメル様」「ラクトン様」「肉っぽい(Meaty)」などなどです。

また面白いのは、12-methyltridecanalの類縁体として、イソメチルあるいはアンテイソメチルの長鎖の脂肪族アルデヒドが多数検出され、熟成ステージが進むにしたがってこれら成分も多くなるようです。

勉強になるなぁ!

(なお、イソとは端っこのメチル基のCから2番めにメチル基があること、アンテイソとは端っこのメチル基のCから3番目にメチル基があることですね。有機化学でやったかな?)


218回の閲覧

Motoko's Aroma-Lab. 

© 2017 by Motoko Ohata. Proudly created with Wix.com

  • Facebook Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • LinkedIn Clean Grey