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  • 執筆者の写真ohata motoko

焼きサバの香り


先日、青森県八戸市に行ってきました。八戸の港から近い場所に、新鮮な魚介類がたくさん売っている「八食センター」という市場(観光地)があります。

以前北里大学獣医学部に勤めていたときにはよく行ったものですが、今回久しぶりに訪れ、相変わらずの活気や賑やかさに圧倒されました!


新鮮な魚介に大興奮!

八食センターの目玉のひとつとして、購入した様々な魚介類をその場で食べることができる場所があることです。「七厘村」というところです。この七厘村で魚介を七輪焼きにして食べたいがために市場をウロウロしているお客さんがたくさんいます。まさに私もそんな感じでした。

先週の調理科学でサバについて学習したこともあり(正確に言えばシメサバ。学生さん、覚えていますか?)、これからの時期のサバは寒サバなんて呼ばれて脂ものっておいしいということもあり、開いて塩をして一晩干したというサバを買って七輪で焼くことにしました。


なんともおいしい匂い!味はもちろん最高でした!

ということで、サバの香りについて慌てて2つほど論文を読んでみましたので、書き留めておきます。

①Comparison of aroma characteristics of 16 fish species by sensory evaluation and gas chromatographic analysis., J. Sci. Food Agric., 83:289-297

②Emission characteristics of odors and odorants released from grilling mackerel and pork belly by different cooking tools., J. Environ. Sci, Int., 23:1763-1773

①の方はサバからとったブロス(煮汁をこしたもの)の分析で、②の方は焼きサバのヘッドスペース分析でした。

どちらも特徴的な匂い成分は脂肪族アルデヒド類が多く、たとえば2-ペンタナール、(E)-2-デセナール、(E)-2-ドデセナール、(E,Z)-2,4-デカジエナールなどです。構造式を考えると、サバに含まれる高級不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸が分解されて生成したのではと思われます。生成経路まで文献検索していないので、時間を見つけて調べようと思います。

でもこのような脂肪族アルデヒド類は、あの焼いているときのおいしい匂いとはちょっと違うような気がするのです・・・。もちろん、独特のモッタリした脂っぽい匂いや魚類独特の生臭さや青臭さには関与していると思いますが、焼いている最中にはおそらくメイラード反応やストレッカー分解がどんどん起きていて、香ばしい匂いやロースト臭、甘い匂いなどが付与され、全体としておいしい匂いになったのはないでしょうか。それに、一晩干している間に熟成され、アミノ酸も増えているでしょうから、アミノ酸由来のストレッカーアルデヒドも関わっていると思います。

なんにせよ、焼きサバはおいしい!


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