5月24日、論文がBioscience, Biotechnology, and Biochemistryにアクセプトされました!
ちょっと苦労した論文だったので、アクセプトの連絡が来たときにはとてもとても嬉しかったです!
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タイトル:2,3-Dimethylpyrazine (3DP) and 2,5-dimethyl-4-hydroxy-3(2H)-furanone (DMHF) generated by the Maillard reaction in foods affect autonomic nervous activity and central nervous activity in human
著者:Ohata M, Zhou L, Yada Y, Yokoyama I, Arihara K.
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食品のメイラード反応で生成した香りで特にインパクトのある3DP(ナッツのような匂い)やDMHF(甘いキャラメルのような匂い)は、その匂いをヒトが嗅ぐことで自律神経系や中枢神経系に影響を与え、生体を鎮静化させる作用があることを初めて報告しました。メイラード反応で生成する非常に複雑な香りの中から、2成分を特定し、単一ケミカルでの作用を明らかにしたことで、新たな香りの機能性を示しただけでなく、機能性を有する付加価値の高い香料の提案や、食品におけるメイラード反応の積極的な利用につながるでしょう。機能性食品の新たな幕開けになったと自負しています!(言い過ぎですね・・・)
3DPとDMHFの構造式を載せておきます。これらは、食品や香粧品の香料としてすでに認可されているものです。基本的には嗜好性向上のために香料が使われるので、今後、生理作用を目的にも利用されていくことを期待しています。
下の写真は、以前学会で今回の論文の内容の一部を発表したときのものです。
以前北里大学に勤務していたときに指導していたドクターの学生さんが一生懸命実験してくれていたことを思い出します。彼女は今や大手香料会社の研究員です。
共著者である北里大学獣医学部動物資源科学科の有原圭三先生もこのアクセプトを喜んでくださり、Twitterにツイートしてくださいました。嬉しい限りです。
これから校正に入ります。詳しい情報は今後お知らせいたします。
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