第94回日本生化学会大会が11月3日〜5日までオンラインで開催されております。
当初、パシフィコ横浜での現地開催を予定されておりましたが、残念ながらオンライン開催となってしまいました。
昨日(11月4日)は、日本メイラード学会が企画するシンポジウムがありました。「生体内におけるグリケーションの役割と食品におけるメイラード反応の意義」と第し、7名のシンポジストによる講演が行われました。タイトルの通り、グリケーションやメイラード反応を軸とした食品科学と疾患生物学のクロストークが行われ、50名を超える聴衆の皆様と「心身統合的なグリケーションの意義」について深く考えることができました。
オーガナイザーは、東京都医学総合研究所の新井誠先生とわたしが務めさせていただきました。
こちらのスライドは新井誠先生がオープニングトークでご紹介くださったものです。ご許可いただき掲載させていただいております。本当にわかりやすくて、まさに言わんとしていることが1枚に凝縮されたとても素敵なスライドだと感じております。このスライドを見ると、グリケーションやメイラード反応は、基礎的な部分から社会実装におけるまで実に幅広く、そして、疾患生物学から食品科学に至るまで他分野に渡ってとても重要なキーワードであることがわかりますよね。
そしてこちらのスライドはわたしがクロージングトークで用いたものです。昨日のクロストークを通して、生体内グリケーションおよび食品メイラードの深い理解と、これらの研究で得られた知見のさらなるアプリケーションが、わたしたちの「食」「生活」そして「人生」にいたるまでをグググッと支えていて、それによって心身統合的な豊かさを獲得していけるのだろうという考えに至りました。このことは、社会や健康、食のあらゆる「生活の質」の真の向上につながっていき、それによってグリケーションとメイラード反応を柱としたまさにヒューメインな社会が実現されていくのだと、考えていますし、わたしはそう強く望んでいます。
ヒューメインという言葉、好きなんですよね。東京大学の東原先生がよくお使いの言葉でその影響で大好きになった言葉のひとつです。堅苦しく言えば人道的という意味なのでしょうけれど、くだけて解釈すれば、ひとらしい、人間らしい、人間味のある、という感じだと思います。そのひとそのひとが主役となる人生ですし、毎日そのひとのそのひとらしい生活を送っているわけです。そういう社会の中で、実はグリケーションやメイラード反応が柱になっているのだと気づいたら、それはとても素晴らしいことじゃないですか!
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