今朝出勤して、大学構内に入った瞬間、とろっとした甘いフローラルな匂い、べたつくハニーのような匂い、チュベローズっぽいような、ジャスミンっぽいような、リナロールのような、そんな匂いがどこからか漂ってきました。
どこから匂うの?と、きょろきょろしながら、くんくんしながら、そのへんの植え込みを探していると、見つけました!(そのへんの植え込みを探しているへんてこな行動を、ラボの学生さんにバッチリ見られてしまいました・・・)

けれどわたしは植物については全然詳しくありません。
詳しい方に聞いてみたら、クチナシの花だそうです。そうか!ガーデニアか!
調香の勉強をしていたときに、ガーデニアの香料についてはよく学んでいましたが、恥ずかしながら本物のガーデニアの匂いを嗅いだのは初めてでした。
ガーデニアは非常に匂いがいいのでいろいろな方法でアブソリュート(天然の香料を抽出する方法で採った天然香料のこと。今度アブソリュートについては解説しましょう)を作ることが試されてきましたが、どうも収量が悪く、ほとんど売られていません。わたしも見たことがなく、おそらくとてつもなく高価なのだと思います。それで、ガーデニアの匂いを忠実に再現した調合香料が売られています。これはわたしも持っています。
ガーデニアの匂い成分の分析はされているみたいです。
主要な匂い成分は、酢酸ベンジル、リナロール(やっぱり!)、酢酸リナリル、α-テルピネオール、cis-3-ヘキセノールなどで、あとは甘いフローラルな香調を持つcis-ジャスミンラクトンなどのようです。
これらのうち、酢酸ベンジルとジャスミンラクトンはジャスミンの天然のジャスミンの主要なニオイ成分でもあるので、ふと「ジャスミンっぽい匂いがする」と思ったのは間違いじゃなさそうですね!


わたしの鼻もまだまだいけますね!