第2回目の調理科学では、米を油脂で炒めてから炊く(煮ると言った表現の方があってますね)という調理法を用いる典型的な料理として、パエリアを習いましたね!
講義でパエリアを取り上げた理由は他にもあって、ここ1〜2ヵ月個人的にパエリアにはまっており毎週末のようにパエリアを作っているからです。色々キッチンケミストリーやっています。
今日は、キッチンケミストリーの様子をご紹介ではなく、パエリアの独特な香りについて、書き留めておこうと思います。香りの科学で、香りに興味のある学生さんは、どうぞ勉強してください。
パエリアを作る際に欠かせない香辛料がありまして、それはサフランです。サフラン(Crocus sativus L.)という、クロッカスっぽい可愛らしい花の、上の方を乾燥させたものです。非常に高級で貴重な香辛料で、普通のスーパーマーケットでも香辛料売り場では陳列数が少ないですし、その価格に驚きますね(サフランの乾燥品1キロ作るのに、16万本の花が必要なようです!そりゃ高級だ!)。見た目は糸唐辛子の様な感じですが、嗅ぐと独特な匂いがします。
私が表現する香調は、こんな感じでしょうか。
「漢方薬のようなスパイシーな感じ、やや甘く、ハーバル。ちょっとベタっとしたオイリーな感じもする。」
(漢方薬にも、サフランが調合されているものもあるので、そんな風に感じました。)
サフランの特徴的な匂い成分は、サフラナール(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエニルメタナール)という成分です。例によってChemBioDrawで構造式を作成!
調べたところによると、サフラナールだけでなく、ピネンやシネオールなどもサフランの匂い成分としては有名のようですね。ピネンやシネオールについては、以前、コアラの食べ物であるユーカリの研究をしていたときに相当嗅いだので、印象深い成分です。これらについてはまた追々紹介しましょう。