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執筆者の写真ohata motoko

香りの科学第4回目 嗅いだ香料


前回、動物性香料について学んだので、それに関連する香料を3種類嗅ぎました。どれもフレグランス用です。フレーバー用ではないです。

1,カストリウム(海狸香、ビーバーの分泌腺嚢から取れる香料)・・・冷たい印象、ラムネみたいな匂い、青白い感じ、少しスースーするような香調

2,シベット(霊猫香、ジャコウネコの分泌腺嚢から取れる香料)・・・強烈な動物臭(アニマリック)、べたつく、糞臭、ややカビ臭

3,アンブロキサン(合成香料)・・・固い、スモーキー、ウッディ、冷たい印象、レザーっぽい、ざらつき

アンブロキサンとは、Henkelの商品名です。

アンバーグリスは竜涎香(りゅうぜんこう)とも言って、マッコウクジラの腸内に出来た病的な結石が体外に出され、海を漂流したり、ときに海岸に打ち上げられたりしたものから採取します。超貴重な天然香料です。

昔、展覧会で本物のアンバーグリスを見てきて、大興奮しました(写真はその時の!)。厳重にアクリルの箱で囲まれていましたが、上部に小さな穴があり、嗅いでもよいとのこと。迷惑承知で相当長い間嗅いでいた記憶があります。

予想よりもずっとドライアンバー香でした。


アンバーグリスは超貴重、超高級な香料なので、通常は合成香料が使われます。アンバーグリスの主成分はアンブレインという物質ですが、ほとんど匂いがないそうです。アンバーグリスの香りを作っているのは、アンブレインの酸化分解物だそうで、アンブロキサンも天然のアンバーグリスの自動酸化によって生成されるようです。アンブロキサンは典型的なアンバーグリスの香りを示すことから、私が、昔嗅いだときにも、アクリル箱の穴からきっとアンブロキサンが主にでてきたのかな、なんて思っています。


例によってChemBioDrawで作ってみました。なかなか素敵な構造式!

(参考:香料と調香の基礎知識、産業図書)


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