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以前の研究テーマ

◎食肉タンパク質由来ペプチドの嗜好性に対する影響

食肉タンパク質から調製したペプチド画分が味にどのような影響があるか検討しました。ヒトでの官能評価はもちろん、マウスを使って2瓶選択嗜好試験を実施して、基本五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)に対する影響も明らかにしました。

・「鶏肉タンパク質分解物の嗜好性に対する影響」、日本畜産学会第121回大会、2016/03/27

​◎食肉発酵調味料の保健的機能性と香気特性

​新規調味料として、食肉発酵調味料を開発しました。発酵熟成過程で食肉タンパク質が分解され、抗酸化ペプチドが生成されたため、この食肉発酵調味料は高い抗酸化活性を有しました。また、sotolonやethyl furaneolなどの非常に甘い印象の香気成分が高濃度で生成することも分かりました。

・Food Chem., 2015, 194, 1034-1039

・Flavour Frag. J., 2017, 32, 171-177 他

◎ペットフードの嗜好性に関与する香気成分の検索と嗜好性向上剤の開発​

​ペットフードへのペットの食いつきに深く関わる香気成分を検索し、特定しました。食いつきをよくする(嗜好性向上)香気組成物を開発しました。

・ペット栄養学会誌, 2010, 13, 1-13

・「ペットフード用嗜好性向上・改善剤」, 2016, 特許5971697 他

​◎コアラのユーカリ葉選択に関与する揮発性成分の特性解明

​動物園の人気者のコアラの主食はユーカリ葉です。むしゃむしゃとおいしそうに食べているイメージがありますが、一方でとても好き嫌いがあり、えり好みするようです。北里大学獣医学部動物行動学研究室の小倉匡俊先生東山動植物園(名古屋市)金沢動物園(横浜市)の共同研究で、ユーカリ葉を選択する因子としてユーカリの揮発性成分に着目し、コアラの食行動と揮発性成分の種類や濃度の関係性を明らかにしました。

・「コアラのユーカリ葉選択に対する揮発性成分の影響」、「コアラのユーカリ葉採食時の選択行動の分析」、応用動物行動学会2015年度春期研究発表会、2015/3/30

・J. Zoo Aquarium Res., 2019, 7(2), 94-101

​◎ネコの特異的行動を誘発する揮発性化合物の特性

​ネコがマタタビに含まれる揮発性成分に対して体をこすりつけたり、ホールディングしたりする特徴的な行動はあまりにも有名です。これには、イリドミルメシンという揮発性成分が深く関与しています。この特徴的な行動を誘発する他の揮発性成分を検索しました。大量のマタタビを山から採取してきて、部位別に分け、様々な方法で揮発性成分を濃縮し、分析機器で細分画し、ネコの行動解析から探りました。ある種のものテルペン類とラクトン類を単離しました。

・「ネコが反応を示すマタタビ中の揮発性成分の検索」、日本ペット栄養学会第15回大会、2013/7

​◎みそ特有香気成分の耐塩性酵母による生合成メカニズムの解明

​みそやしょうゆの特有香気成分である4-hydroxy-2(or 5)-ethyl-5(or 2)-methyl-3(2H)-furanone (HEMF, ethyl furaneol)は、みそやしょうゆの製造に欠かせない耐塩性酵母によって、発酵熟成中に生合成されることを明らかにしました。また、こうばしい香りに寄与する2-furanemthanethiolを特殊な方法で初めて検出して、重要性を示しました。

・Biosci. Biothecnol. Biochem., 2007, 71, 407-413

・Biosci. Biothecnol. Biochem., 2007, 71, 1761-1763

・J. Agaric. Food Chem., 2009, 57, 2481-2485 他

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